220121 久慈市「太古ロマンのまちづくり講演会」

 北海道むかわ町で「むかわ町恐竜ワールド構想」を推進する町「経済恐竜ワールド戦略室」太田晶主事、民間の「むかわ町恐竜ワールドセンター」代表・栗原健一氏を招いた講演会が開催されました。 

主催:久慈市総合政策部政策推進課

ムカワサウルス~むかわ町経済恐竜ワールド戦略室 太田 晶 主事(地域おこし協力隊)講演

*Web参加の講演会画面~推進計画はH28~R2。


 北海道むかわ町はシシャモの漁獲で有名ですが、それだけじゃなく「カムイサウルス」というカモノハシ恐竜=ハドロサウルス科恐竜でも近年有名です。


 戦前に樺太サハリンで発見された「ニッポノサウルス」に続く同種植物食恐竜の8割の骨格が発見されています。


 2003年発見当初はギョリュウの骨とされていましたが、国立科学博物館現副館長・真鍋真博士や東京学芸大学・佐藤たまき教授らの研究·指摘、ダイナソー小林快次・北大教授の鑑定によりニッポノサウルスに続くハドロサウルス科恐竜として追加発掘され、大きな話題を呼びました。


 その後、2004年兵庫県淡路島発見の「ヤマトサウルス」も同種と2021年小林教授が鑑定・命名されています。


 小林教授は、モンゴルなど東アジア大陸部、北米大陸~アラスカ等の調査も行っていて、2021年7月の調査ではアラスカ半島アニアクチャックの白亜紀後期地層で100本以上のハドロサウルス科恐竜足跡などを記録しています。


 アニアクチャックはザッと7000万年前、久慈層群は通常8500万年前後、むかわ町も白亜紀中・後期の浅海・河川流入域~湖沼域と似た環境にあり、しかも日本列島はまだ大陸縁辺部にあり、アジアと北米が繋がっていた時代。


 アニアクチャック調査に当たったDr.Anthony Fiorillo教授も、これまでの調査で当時の自然環境は温暖で今のアメリカ西海岸のような環境と述べ。カモノハシ恐竜・ハドロサウルス類のトラック跡の多さをだけじゃなく、多様な生態系があったものと推察。


 また小林教授は、ヤマトサウルスの烏口骨(肩の骨の一部)突起の有無・形状などにより、北米やアラスカ、当時のアジア大陸から発見されるハドロサウルス科恐竜の調査が進めば、更なる進化系統解明に繋がるとしています。


*朝日新聞 2021.06.18 8面13版S~ 新種「ヤマトサウルス」が迫る謎

北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。