220130 化石と旅する世界~『エウブロンテス・ノビタイ』

 1月30日㈰晩、群馬県立自然史博物館主催オンライン講座が開催されました。


 この講座は事前登録・申込み不要の公開講座、文化庁「博物館等の国際交流促進事業(実施事業)」で採択されたバーチャル恐竜博物館事業として実施されています。


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中国地質大学シン・リダー准教授ですね!

バーチャル恐竜博物館(文化庁委託事業)オープニング場面の真鍋真博士・群馬県立自然史博物館・石井年香館長~事前プレス資料より


 解説は、日本の恐竜研究先端を担ってきた国立科学博物館・真鍋真副館長(群馬県立自然史博物館特別館長)、群馬県立自然史博物館の高桒祐司地学研究主幹、木村敏之生物研究係長、そして肉食恐竜足跡化石「エウブロンティス・ノビタイ」発見の中国地質大学・邢立達シン・リダー准教授。


 恐竜足跡化石「エウブロンテス・ノビタイ」は、これまで20数年間ジュラ紀・白亜紀恐竜化石発見のなかった四川省、その四川省「金魚渓」でカギ爪をもった肉食恐竜足跡四つが見つかった。


 ドラえもんのノビタが好きで、それにあやかって「~ノビタイ」と命名したことなど発見にまつわる故事グシ=物語をお披露目いただきました。

 江西省小学校建設工事地では用務で外出途中、偶然斜面に丸い固まりを見つけ掘ってみたら恐竜卵化石だった。


 この近くでも卵化石が発見されているが、まさか自分が偶然にも発見するとは思わなかった。


 白亜紀後期の卵化石で、恐竜の赤ちゃんを精緻に観察できるものは多くない。おそらく獣脚類オビラプトルのものだろう。


 鳥の卵孵化は21日かかるのだが、赤ちゃんの姿勢、骨格など鳥の孵化過程と大変良く似ている。


 これからいろんな形態の卵化石が増えてくれば、その相違が明らかになるでしょうと結んだ。

 中国地質大学・邢立達准教授~白亜紀前期約9900万年前・ミャンマー産琥珀中の小型獣脚類恐竜羽毛研究成果などでも有名。 


 真鍋真博士、髙桒・木村両氏も随時解説を加え、特にも日本の恐竜研究第一人者Dr.真鍋氏は石川県白山発見の肉食恐竜足跡も肉食恐竜系の「ノビタイ」と比較可能、日本でも白亜紀前期丹波地方で六種類の卵化石が出ている。


 中国北辺、モンゴル・ハドロサウルス、アメリカの細長いトロオドン、アルゼンチンの丸い卵化石など多様な発見が続いていると俯瞰した。
 概して竜脚類の卵は丸く、獣脚類は細長い。これは骨盤の腸骨・座骨・恥骨や産道の違いによると推定されるようだ。


 今回のV恐竜博物館、参加者からの質問回答など45分予定を20分オーバーするほどチャット上の反応も良く、幸先の良いスタートとなりました。



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