230702 星空を見上げて~デーリー東北chouchou7月号

 6月27日付けデーリー東北 月間chouchou 7月号に「星空を見上げて」~ひろのまきば天文台阿部俊夫台長(北三陸ジオパーク理事)やおおのキャンパス・三本木さんなど大きく紹介されてましたね!


 その中で海成段丘上にあるひろのまきば天文台は、階上岳・久慈平岳の八戸市街地からの光が遮られ、また久慈層群や野田層群を久慈川・長内川・夏井川が削った沖積低地に久慈市街地があることで同様に光が届かず、星空観察に絶好のポイントとなっています。


 北三陸の大地の主要部分は、古生代末から白亜紀前期にかけての海洋由来付加体、白亜紀前期の溶岩活動など一大変動、そして白亜紀後期久慈層群・種市層群、古第三紀野田層群の堆積などで形成され、その後の変動で陸域であったり、浅海だったり、また海面下にあったりしながら大地が徐々に上昇し、10万年から10数万年単位で一連の海成段丘が形作られています。


 広野面や水無面など海抜200m以上や下位の三崎面・侍浜面・麦生面など多くの海成段丘が形成されています。緩やかな段丘面上では、八戸藩・盛岡藩時代に牧野が営まれたり、海面下に堆積した砂鉄を原料にした製鉄産業が隆盛の時期もありました。

 現在でも、馬牧場や酪農による乳製品・寒締めホウレンソウの生産地などとして利用されています。


 階上岳からは八戸市街地~八戸湾岸一帯や八甲田連峰、下北半島を眺望できます。久慈平岳からは、洋野町の海岸部一帯、久慈湾湾口や野田普代方面まで遠く見渡すことができます。段丘上の天文台や大野の街・種市の街・山形は見えますが、久慈の街は見えません。

 そんな訳で「ひろのまきば天文台」は日本で最も星の見えやすい場所なんですね。

以下~230627付けデーリー東北 chouchou 7月号紙面

chouchou 第4面

久慈・八戸市街地からの光を遮っているわけ~第4面図1の拡大。

大野の海成段丘上から見える久慈平岳、右奥に階上岳~右端に天文台 

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久慈平岳山頂から見える久慈湾~三崎半島~野田湾(十府ヶ浦)右手に丘陵に天文台、久慈の街は隠されてしまううんですね!

181104@shima

第5面

久慈湾浄土ヶ浜付近から見る久慈平岳・階上岳    230620@shima

chouchou 7月号 第1面 右が阿部俊夫 ひろのまきば天文台長、左はおおのキャンパスの三本木さん 発行:デーリー東北新聞社 八戸市

北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。