181013 北三陸「のだ・潮風ジオウォーク」

 10月13日(土) 野田村トレイル振興会さん主催の「ジオウォーク」にお招きいただき、三陸鉄道野田玉川駅~マリンローズパーク野田玉川~米田土内くんのこほっぱ跡~ほたてんぼうだい~街中のコミュニティー施設「ねまーる」~野田漁港「大唐の倉」間約10㎞を参加者の皆さんとともに歩き、ジオ解説を入れながらの完走でした。

 街中の「ねまーる」では、ウォーキング後の体に浸みわたる、美味しい鮭汁・おにぎりをいただき、食後の30分間三陸ジオパーク(北三陸~野田村エリア)についてお話させていただきました。

 野田村は琥珀や恐竜など脊椎動物化石や各種化石を産する久慈層群が久慈市小久慈町から宇部町を経て野田玉川に達していて、玉川海岸は中生代白亜紀後期久慈層群を明瞭に観察できる模式地として研究者に知られています。

 また、カキ化石の幾層にもわたる密集層が観察でき~これも有名です。

 アンモナイトやサメ類、魚竜類の歯なども発見されています。

 今後とも各種化石の発見が続く可能性の高い地域と言えます。(ただし国立公園の保護区域であり、採集行為は禁止されています。)


 新生代古第三紀の野田層群も野田漁港・大唐の倉や久慈市夏井町半崎に見られる地層観察の模式地となっています。動植物化石や珪化木、石炭などが地層に含まれる場合があり、火山灰の分厚く積もった砂質凝灰岩の白さが遠くからひときわ目立ちます。


 野田村十府ヶ浦の南側=米田・土内浜には、岩手県沿岸で最も多い津波堆積物層を含む地層が、近年北海道大学平川一臣名誉教授や盛岡市立高校・小野寺弘幸教諭によって調査され、約7000年間に18回以上の津波由来の堆積物が確認され、小野寺教諭は「津波堆積物層序」剥ぎ取り標本を野田村に寄贈しています。

 この剥ぎ取り標本は、街区の「野田村保健センター」3Fに展示され、平日業務に支障のない範囲で観察することができます。


 野田玉川マンガン鉱山跡は、採掘休止のマンガン鉱山でマンガン品位の低い鉱石が鮮やかな淡いバラ色なことから、輝石の宝飾品として採掘継続・加工しているもので、国内唯一稼働の「マンガン鉱山」とも言えます。

 坑道内中央には、かつての国内稼働鉱山から寄贈の今となっては貴重な鉱物原石類約200点が展示されています。もちろんマリンローズ原石の鉱脈も直接観察できます。

 坑道への出入り口近くの通路には、国内外の各種鉱物・宝石原石が沢山展示されていて、岩手県内でこれほど多種多様な原石・標本を収集展示する施設は、ほとんどなく貴重な物です。


 ジオパーク紹介の機会をいただいた野田村担当者の皆さま、関係者さま、野田村トレイル振興会さま、ジオウォーキング参加の皆さま、ジオパークの話を聴いていただき、ありがとうございました。

 これを機会に「三陸ジオパーク」への関心を高めていただき、ジオパークで三陸の地域間連携と復興を示してゆきましょう!

 


野田層群名称由来の地=野田漁港・大唐の倉

北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。