190806 第16次「平山調査団」久慈入りです!

 白亜紀後期 久慈層群玉川層の約9000万年前地層の発掘調査を実施している「平山調査団」(団長:平山廉 早稲田大学・国際学術院教授)一行が8月6日久慈入り、7日から12日間で久慈琥珀博物館近くで調査中です。

 昨年、宮古市の高校生が「琥珀採掘体験場」で見つけた化石が、白亜紀後期東アジア初・日本初の肉食恐竜ティラノサウルス類歯化石と鑑定・報道発表され、大きな話題となりました!


 これまで多種多様な恐竜化石が発見されていて、世界でも発見例の少ないこの時期の化石は貴重で、北米産大型恐竜ティラノサウルス=T-Rexへとつながる溝を埋める化石の発見が大いに期待されます。

 白亜紀後期の、およそ8000万年~1億年前のティラノサウルス類化石は、現在のところ中央アジアウズベキスタン北部の砂漠、北米ニューメキシコ州ズニ盆地、同じく北米ユタ州シーダマウンテン累層で発見されているのみ、世界的に希少な発見例なのです。


 調査団は、日中の発掘と夕食後の「勉強会」が連日続きます。

 今回の参加メンバーは団長 平山先生を始め早稲田大学、東京大学、筑波大学、日本大学、中国地質大学、愛媛大学、山形大学、岩手大学などの学生・院生・教授・研究者、高校教諭、博物館研究者などプロ・アマ問わず多彩なメンバーです。

 

 9日には、久慈商工会議所主催で平山廉教授の講演が行われます。


ティラノサウルス類化石を発見した宮古市の高校生門口さんと平山廉教授

*190606 読売KODOMO新聞 第2面

9日 平山教授講演会開催(17:30~ 会場:久慈グランドホテル)

3月28日 白亜紀の翼竜(爬虫類)についてレクチャーする平山教授

「新説恐竜学」2019年7月初版

2019年久慈琥珀博物館企画展


8日今晩も勉強会が始まりました。当方残念ながら、北三陸ジオパーク会員向けの報告資料発送準備で、参加できません。明日は大丈夫かな⁉


*勉強会の日程および講話者・テーマは以下の通りです。

 7日(水曜)

  伊左治鎭司~「琥珀から見つかる軟体動物化石」(仮題)

  平山 廉 ~「久慈層群玉川層の脊椎動物相」


 8日(木曜)

  黒須 球子~「アジアのティラノサウルス類の謎:頭骨から見た初期進化」

  鵜野 光 ~「ティラノサウルス記者会見をプロデュース⁉」


 9日(金曜)

 17:30~19:00(会場:久慈グランドホテル)

  平山 廉 ~「地元学講座:久慈の発掘調査で明らかになる恐竜世界」

 20:30~    (会場:ホテルみちのく)

  木村賢一 ~「久慈琥珀の話し」(仮題)


 10日(土曜)

  平山 廉 ~「平山郁夫シルクロード美術館での化石発掘体験報告」

  鵜野 光 ~「ゾウは水中で進化した?しかも海?:酸素同位体からの生息環境復元」


 11日(日曜)

  山崎優佑 ~(NPO法人バードリサーチ)「NPOバードリサーチについて」


 12日(月曜)

  馬場健司 ~(恐竜クラブ)「プラント・オパール(植物珪酸体)分析」

  

  いろいろと興味深いテーマが続きます!

  

北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。