11月19日㈫ 朝1時間ほど久慈市地下水族科学館「もぐらんぴあ」見学の洋野町林郷小学校高学年の皆さんに、三陸ジオパークの北部北上山地エリアや北部ブロックの特徴について紹介させていただきました。
岩石や地層のでき方など大体のところは学ぶようですが、南部北上のリアス式海岸に対して北部北上は海成段丘地帯や大陸の東端にあった時代にはるか遠洋から運ばれ、付加されたもので出来上がっていること、
白亜紀前期の火山活動により地下深くで出来た花崗岩が地表に現れて、北上山地のかなりの部分を占めていることなど話し、
琥珀や恐竜などの古脊椎動物化石など多くの動植物化石が発見される久慈層群の堆積~同じ時代の洋野町・種市層群について、次の時代の野田層群について、
洋野町や久慈市などの海成段丘~水無面・広野面・三崎面・麦生面・侍浜面・種市面・有家面など約80万年前から、おおよそ10万年前後の間隔で海で形づくられた地層が上昇し「海成段丘」として陸地化していることなど紹介しました。
久慈平岳頂上から南南東の久慈湾・湾口防波堤や十府ヶ浦、黒崎の段丘崖も見え、東の洋野町種市の白い建物種市病院・宿泊施設・街並み・風車など、その手前の高取山、北側の階上岳(種市岳)など、晴れて雲やガスのかからない時期が絶好の観察機会とお勧めしました。
最初は地球上のプレートが動き、陸の堆積物を巻き込みながら活動していることなど小学高学年には、まだ早いのかなと思いましたが引率の永瀬先生のお話では、地震や津波との関連で理解し始めていると聴きホッとしました。
プレートの動きで陸地に向けて常に東西の圧縮する力が働いていて、氷期・間氷期や火山活動など激しい地殻変動にもよるが、例えば過去12万年間で北上山地は約50mの上昇部分もあれば、そこから北三陸洋野町では北東方向への等高線で約40m程の上昇、そして種市層群あたりは30m程の上昇と緩やかになっていることを図示して紹介しました。
これだけ話すのに結構な時間50分強、そのあと生徒さんの質問に応え、最後に同じ3F防災展示室「あ~すぴあ」内で久慈の大地の成立ちと地震・津波の発生・防災についての動画を確認、林郷小学校高学年生へのジオパーク紹介を終えました。
小規模校ながらも、生徒の皆さん集中力があり、はきはきと質問していただきました。
洋野町立林郷小学校 後藤校長先生・永瀬先生、5・6年生の皆さん、ありがとうございました。当日団体受け入れ担当の関合さん、お世話になりました。
子供さん達、中高生など、理解しやすいようなジオパーク解説の図解が必要~欲しいと思いました。
ジオパークは地球科学的な知見から歴史・文化・民俗・産業・食など人文学的な知識まで幅広く求められますので、案内・紹介の友に図が必要かな~~!
今回は触れられなかったけれど、大野の山砂鉄ドバ・八戸藩時代の「大野六鉄山」~種市層群(白亜紀後期・久慈層群と同時代)の琥珀・珪化木他化石など、現場を踏んだ紹介ができればなあ~という思いが浮かんで来ました。(以上私のふり返りです。)
もぐらんぴあ3F防災展示室「あ~すぴあ」~久慈湾~久慈港~三崎海成段丘
東(太平洋側)からの俯瞰。南(左)は久慈市、北(右)は階上町・八戸市。
旧種市町は右奥 階上岳(種市岳) 久慈平岳から北東側、旧大野村は南西側で平成の合併で新町名「洋野町」となりました。
海岸に沿って走るJR八戸線、国道45号線、延伸工事中の三陸沿岸道路が完成すれば、久慈市~八戸市間(約55km)が1時間以内に短縮されます。
北部北上山地の海成段丘地帯、久慈平岳から普代村黒崎方向が綺麗に確認できます!北部テラスとでも言えるのでしょうか!?
階上岳も八戸湾?八戸市街地、芦毛崎付近、階上町海岸など一望、八甲田の山脈など確認できます!
天気が好いと種市病院~ホテル~洋野町役場庁舎などクッキリ!
洋野町種市~侍浜海岸部~久慈湾~三崎半島~野田湾~黒崎(久慈平岳頂上)
久慈湾・久慈港~湾口防波堤
洋野町大野の街並み(正面奥)
海成段丘の贈り物、海底に濃集した大野金沢の「ドバ砂鉄」が川崎製鉄の製錬原料になりました!
久慈市地下水族科学館「もぐらんぴあ」3Fには、三陸ジオパーク紹介コーナーがあります。
正面~久慈市三崎の海成段丘上に久慈平岳・階上岳が顔を出してます!
手前中央は三崎面~標高190m前後、久慈湾北・の麦生面や侍浜面・北西の広野面、左手丘陵は水無面となります。有家面·種市面は右奥海沿いの段丘です。
「北三陸ジオめぐり」八戸~普代編マップ(部分)
三陸ジオパーク推進協議会 http://sanriku-geo.com
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