200623 岩手日報・復興最前線 第85部 地域防災④ 日本海溝・千島海溝地震~堆積物が大津波警告

 6月23日付岩手日報 21面 特集記事冒頭で、北三陸認定ジオガイドクラブ・島川が紹介されました。


 岩手県九戸郡野田村には風光明媚な約3kmにわたる砂浜(細礫)が続き、北側の野田漁港を見下ろすように古第三紀野田層群の白い火山灰層が際立つ「大唐の倉」があります。


 東日本大震災・大津波の前の風景は無数の黒松と砂浜の続く嫋やかな景観が有名でした。


 この十府ヶ浦の南側は、琥珀や多くの古生物化石、恐竜化石の発見されている久慈層群玉川層・国丹層が西北・久慈市方向へと伸びています。

 

 2015年早春、北海道大学名誉教授平川一臣先生、宮古水産高校小野寺教諭(現盛岡市立高校勤務)、岩手県立博物館大石学芸部長の案内で北三陸ジオパーク推進連絡会会員、野田村津波語り部(野田村観光協会)の皆さんとともに初めて「津波堆積物」の観察会を開催しました。


 当時、約7000年間にわたる津波堆積物層序の剥ぎ取り標本を作製し、宮古市や田野畑村の中学校、野田村に寄贈してきた盛岡市立高校の小野寺弘幸先生は、岩手県立博物館での展示、野田村生涯学習大会での講演などを通して、約7000年間に18回の津波堆積物の痕跡を確認し三陸沖の日本海溝だけじゃなく、特に北三陸は千島海溝など北からの大津波にも警戒するべきことを示していただきました。


 「津波堆積物」とは、当時まだ聞きなれない概念でしたが、2017年1月地震調査研究推進本部でも、この「津波堆積物」という認識を初めて示すなど、長年の調査研究が認められることとなりました。


 「津波堆積物」について関連資料を参考に掲載しておきます。併せて当方2018年2月10日付けブログもご確認ください。

2020年6月23日 岩手日報21面 特集記事

👆北大名誉教授 平川一臣先生直々の解説・観察会 2015年3月20日

「いわてのジオのモノがたり 34」大石雅之・岩手県立博物館学芸部長(当時)~津波堆積物の紹介 岩手日報2015年9月26日

 政府の「地震調査研究推進本部」が2017年1月1日付け資料で「津波堆積物」に言及!

 2017年2月野田村生涯学習大会での講演後、小田村長始め村民の皆さんに説明する小野寺教諭

 2017年2月岩手県立博物館での展示

津波堆積物剥ぎ取り標本

2017年2月21日付 岩手日報

2017年7月県博地質観察会で解説する小野寺教諭

2018年9月「津波堆積物」層序の標本作成の現地作業~小野寺教諭

野田村へ寄贈の標本 野田村保健センター

 


北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。