210919 北三陸野田村「安家隧道トンネル」

 下閉伊郡岩泉町安家森(1239m)付近の源流部から安家元村を経て、国道45号や三陸鉄道リアス線をくぐり太平洋に流入する流程50㎞ほどの安家川に行ってきました。


 久しぶりかな、東日本大震災や2016年台風10号災害の復興工事などで、しばしば通行止めとなっていましたが工事もほぼ終わり2021年春から岩泉町安家元村への迂回路・生活道路として機能しています。ただ、冬期間は渓流沿いの狭い部分や断崖も多く通行止めになりそうです。


 安家川河口から田野畑花崗岩体が続き、第1カーブを越えた辺りでガラス質の珪藻や放散虫などの殻が堆積したチャート(sio²)~粘板岩、珪質頁岩が顔を出だし、民家のある内川を過ぎると凝灰岩の筋が出たりします。


 R45号からおよそ8.5㎞で左岸に大平沢が流入、ここが岩泉町と野田村の確定された町村堺となります。この一帯は田野畑花崗岩体に囲まれた海洋プレート由来の付加体で、大平沢と岩泉町茂井集落の間で再度花崗岩体に取り囲まれます。


 その上流川口集落辺りから大規模な石灰岩体になり、源流部に近い安家大坂本付近ではペルム紀/三畳紀の「生物大量絶滅」を示す「P-T境界層」が東北地方で初めて発見されています。

 鮭の遡上が始まってますが、これからが本番!(210919)

 安家川河口手前が三陸鉄道リアス線橋梁、海側は国道45号線。

 2016年台風10号による豪雨災害後川床が低く平たんになったような気がする。


 昭和のころからトラウト狙いで通った思い出のヒットポイント激変で~す!右手前の岩石は復興工事で並べられたのかな?

 川口から約6.7kmに安家隧道(トンネル)があります。


 この辺りもチャートや砂岩などが花崗岩と接触した変成岩で非常に固く、急峻な断崖を迂回する道は人馬を寄せ付けないことだったのでしょう。


 昭和31年11月、宮城建設技術合資会社(現宮城建設株式会社)の手により竣工です。

安家隧道わきの急峻な流れ!

高さ幅4m、約30m長!

 取り付く場所もない断崖、増水時には大迂回を強いられたことでしょう。

青森営林局長 石井勇さん筆!

 竣功(竣工)昭和31年11月14日~今のような重機や建設機械などなかった時代、旧式の削岩機と発破のみで完成させたのでしょうか?

 急峻な砂利道、泥山道を資材運搬し、近くに飯場を設けて長期間の大変な工事だったと思われます。


 岩泉町安家元村は北の大月峠を越える久慈方面、南側石峠越えの岩泉方面、いずれも難所で生活道路として安家川沿いの道路開削が求められたのは当然のことと思われます。


#昭和30年代〜40年代にかけては、まだまだ木炭の需要が旺盛で、秋冬春先の暖房に炭が欠かせない時代でしたね!
 木炭や丸太を積んだ緑💚の5㌧車が大活躍でした。

 テレビや石油ストーブ、洗濯機、電気炊飯釜、上水道、LPガス〜都市ガス、オートバイ、マイカー、☎が全国津々浦々に普及するまでには、相当な時間を必要としたのです。

 木炭やマイホーム需要に対応するためには、難所を越える道が必要だったのですね!


 また、安家川沿いには内川鉱床、玉根鉱床、桐松鉱床などマンガン鉱採掘の経緯もあり鉱物探索、運搬の需要もあったのでしょうか。

 コンクリート打ちのため板材で丁寧な工事が施されたようです。

 西側上流から~右手は狭い急流部、昭和のころまで「ガラ掛け」が行われていました!

 野田~岩泉町村堺に架かる「大タライ沢橋」流れ込む支流は「大平沢」!河口=R45号線から約8.5㎞強。

大平沢に架かる橋は「大タライ沢」?

 野田村下安家内川にも掲示されていますが、安家川上流岩泉町側でも町指定天然記念物として、採捕が禁止されています。

 県道と川の部分に突き出した大岩窪みにハチの巣あり!気温19℃位動きは鈍い!


 窪みをヒョイと覗いたらハッチ!ハッチ!うわぁ~スズメバチじゃあなくて良かった~’m happy!


 冷や汗ものですが、低温で動きが鈍いようです。アシナガバチには違いないけど、種類は~~セグロ~?キイロ~?ヤマト~? 210929©Shima

北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。