4月21日より早稲田大学国際教養学部教授 平山 廉 先生を団長とする通称「平山調査団」が2012年より13次にわたり久慈層群玉川層のボーンベッド=脊椎動物化石密集層を調査してきた成果が久慈琥珀博物館企画展「久慈に恐竜のいた頃」~前期「多様な生きもの」編として開催されています。
これまで発見された約1500点の脊椎動物化石の中から約100点を選び公開するもので、恐竜類、カメ類、サメ類、硬骨魚類などの魚類、謎の水性爬虫類「コリストデラ類」など日本初発見、アジア初発見などの物も公開され、昨年10月7日久慈市で開催された第148回化石研究会で研究報告された成果の元を久慈市・北三陸の皆さんに、お示しするものです。
発見された脊椎動物化石約1500点中、カメ類が一番多く実に569点を占めています!
2008年発見「アドクス」の化石は、前久慈琥珀博物館館長の佐々木和久氏が「琥珀採掘体験場」の玉川層泥岩層から見出した、ほぼ甲羅全体部分で日本におけるカメ類研究第一人者の平山廉先生に鑑定を依頼したことから、久慈での調査を継続するきっかけとなった物です。
平山教授によると「甲羅の縁のウロコが内側に達する形状を示している」ことから、これまで発見されていないアジア初の新種と結論付け、近いうちに学術論文を報告する予定となっている。
この企画展~前期「多様な生きもの展」編は7月18日(水)まで開催されております。
三陸ジオパークの中でも、白亜紀後期の堆積層中に琥珀を多量に包含し、なお且つ脊椎動物化石や貝類・材化石・植物化石など当時の多様な生態系を示す資料が続々と見出されている、この特性は国内的にも世界的にも北三陸でなければ体現できない貴重な地球の財産とも言えます。
アジアで3例目の完形に近い「アドクス」甲羅化石~市街地より約5kmほど、久慈市小久慈町の久慈琥珀博物館で展示中、どうぞお確かめください。
*久慈琥珀博物館
〠028-0071
久慈市小久慈町19-156-133
☏ 0194-59-3831
「地質学雑誌 第119巻 2013年8月 P82の部分表示 平山 廉 教授 連名論文」より
同上「地質学雑誌 第119巻 P92~発見当時の状態、P93~アドクス甲羅と腹側の裏表」
上写真右下が「アドクス」新種
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