むつ市(下北ジオパーク)で東北ジオパークフォーラム開催

 8月3日・4日「2018年東北ジオパークF」が下北ジオパーク~青森県むつ市で開催されました。


 北三陸から約180㎞、八戸市~六ケ所村経由~陸奥湾沿いを北上~横浜町~むつ市下北町の会場「プラザホテルむつ」までたっぷり4時間強のドライブで到着「初下北」です。


 3日13:30~受付をすまして、14:00宮下むつ市長、青森県知事(代理:佐々木副知事)、宮原日本ジオパーク委員会調査運営部会長のご挨拶で開会となりました。


 フォーラムトップは「基調講演」=JAMSTEC海洋研究開発機構理事長で「下北ジオパーク特別顧問」の平朝彦先生による「日本列島の成り立ちと下北ジオパーク」です。

 機構の本部は横浜市ですが、むつ市関根浜に「むつ研究所」があり、海洋地球研究船「みらい」の観測活動などにより津軽海峡周辺海域の海洋環境変動研究などを行っていると聴きます。


 下北半島は、「付加体」「日本海拡大期の海底火山」「第四紀の火山噴出物」「堆積平野」という日本列島の成り立ちを示す地質が揃っています。

 平先生は、海洋研究開発機構での10年間の高知勤務から同じ「付加体」構造を持つ下北半島「尻屋崎」に見られる三畳紀・ジュラ紀石灰岩、砂岩泥岩互層、チャート、角礫岩、メガロドン(大型二枚貝)、メランジェ、ダービタイト、デュープレックスなどなど限られた時間内に密度の濃いレクチャーをしていただきました。


 なんと司会進行は、下北ジオパーク各地の中学高校生、パワポでのジオパーク構成市町村紹介は田名部高校の女子学生たち、他にも会場入り口案内とか受付などフォーラム運営全般に中高生が関わってました。自ずと「ジオパーク」への関心が深まりますよね、東北のジオパークから約300人が集結、ジオサイトも周るしエクスカーションでツァーも組んでるし~「ジオパーク」って「すごい!」と思ってくれた事でしょう(笑)

 ヒバの入浴剤のお絵かき色塗りは幼稚園の皆さん、下北ジオパークの「下北自慢カード」私へのお勧めは「大間のマグロ」=「~あぶらがのっていてすごくおいしいです。さし身で食べるのがおすすめです。~小学校5年 M.Wちゃん」子供から大人まで多様な年代が関わる工夫が伺えます。


 基調講演を終え、フォーラム参加メンバーは「大湊・芦崎ジオサイト」見学と「ベコ餅作り」の二手に分かれてプログラム参加、三陸の大部分のメンバーは「大湊・芦崎ジオサイト」見学となりました。

 大湊海上自衛隊基地のある陸奥湾北側の釜臥山878mは、恐山山地に連なり、この山地が大湊基地をぐるりと取り巻く砂洲と先端が鳥の嘴(くちばし)上の砂嘴(さし)を生み出している。

 海抜55m~北の防人大湊「海望館」から大湊と砂嘴に囲まれる芦崎湾、そして旧日本海軍要港への供給水確保のため明治後期に作られた重力アーチ式石造「沈澄地堰堤」などの「旧大湊水源地水道施設」をガイドさんの案内で周りました。


 三陸海岸の急峻な断崖や海が大きく峡谷に入り込むリアスの海岸風景に馴染んだ一団には、眼下に拡がる堆積平野と高い山の連なりもない穏やかな海景・風景がとても印象的でした。


 第一日夜は主会場での交流会、東北各地ジオ仲間が持ち寄った日本酒、お囃子とともに開樽・お振舞いの下北美酒・酒肴を味わい、余韻を残しつつ「下北ジオパーク」さんの計らいで田名部川沿い銀白色に輝く克雪ドーム「ウェルネスはらっぱる」脇の桟敷席へと移動、正面に並ぶ「大湊佞武多」力作と頭上を彩どる花火の対比を楽しませていただきました。

 なかなか現地佞武多を見る機会のない東北ジオ仲間への、ご配慮ありがとうございます。


 フォーラム二日目、8月4日は分科会です。

 保全・防災、教育、ジオストーリー、ガイド分科会が設定され、当北三陸ジオはストーリー分科会に参加、東北を繋ぐ幾つものジオストーリーがあり今後の深化が期待されます。ワークショップ後の成果発表スタイルは、各グループの合意形成の仕方が感じられ、これから東北広域ジオツァーとなる可能性を思わせる部分もありました。


  ジオストーリー分科会会場「北の防人大湊 弐番館」から全体会・閉会会場のプラザホテルむつへ移動、4日13:00~14:00各分科会のコーディネーターより概括報告があり=保全防災~金子八工大教授、教育~山崎「ゆざわジオパーク」専門員、ジオストーリー~林秋田大大学院教授、ガイド~小池「下北ジオパーク」専門員、続いて日本ジオパーク委員会宮原部会長の全体講評で「分科会では非常に活発な意見が出ていた~ジオパークは受け身じゃなく新しい価値を生み出してゆく努力・姿勢が大事~」なことを示し、次回開催予定の「鳥海山飛島ジオパーク」参加者がステージから「2019年東北ジオパークフオーラム」参加を呼びかけ、4日14:00すぎ下北ジオパーク推進協議会の金沢副会長(大間町長)の閉会宣言を持って2018年東北ジオパークフォーラム終了となりました。(エクスカーション参加者は5日まで)


 開会冒頭、宮下むつ市長より「~ジオパークを推進する仲間が集合~自分たちが楽しいかを考えながら~新しい仲間をどんどん拡げてほしい~」、東北フォーラムなど参加する度に交流の輪が広がってゆけば~と思うのです!

 下北ジオパークの皆さん、2018フォーラム開催ご苦労様でした、随所にジオの熱気の伝わる良い機会でした。またの機会に各ジオサイトを周遊したり、ジオセンター・ジオ産品施設など巡りたいと思います。ありがとうございました。

宮下むつ市長(下北ジオパーク推進協議会会長) ごあいさつ

宮原 日本ジオパーク委員会調査運営部会長

下北ジオパークの市町村紹介(田名部高校3年生)

基調講演~JAMSTEC海洋研究開発機構理事長 平朝彦先生

北の防人大湊 海望館(海抜約55m)からの陸奥湾・芦崎の景観

海上自衛隊大湊基地内砂洲からの釜臥山眺望!手つかずの自然林内には、時として熊さんが出現とか。

遠くでも克雪ドームがやはり目立ってる!何よりのランドマークです!

交流会始ります!(プラザホテルむつ)

お囃子と開樽「関乃井」さん!

大湊佞武多と打上げ花火!(ウェルネスはらっぱる)

分科会~皆で楽しく発表!「縁結び~縁切り」ジオツァー?

仲間の持ち寄った各地「ジオ菓子」⁉八峰さんのジオ菓子やドライな「いぶりガッコ」などなど味見しきれない!

みちのく北前トレイル+みちのく潮風トレイルで東北のジオトレイルツァー造成??(笑)

素晴らしい!東北ジオパークの各メンバーが交互に解説!

まあ何といっても「下北半島と大湊の錨」+帆立のカレー!分科会後の昼食です。

分科会報告~秋田大学 林信太郎教授(ジオストーリー分科会)

2019年開催地「鳥海山・飛島ジオパーク」PRと参加呼びかけです!

ジオサイト説明案内版~東北で砂嘴の形成される場所は珍しく貴重!

「ジオ菓子」PRは抜かりなく準備が大事(笑)~栗駒山麓ジオパークさんさすがです!

 宿泊先周辺、松木屋さん並びで近くに田名部神社、一角で「下北半島ジオラーメン」をいただきました!ゆざわのジオ仲間達と入違いでした!

北三陸geo-history

三陸ジオパークの北部=八戸市~久慈市~宮古市を中心としたジオパーク関係情報です。